2011年09月16日

未成年者は法定代理人により特許申請手続

未成年者は原則として法定代理人によらなければ特許申請などの手続を行うことができません。特許法の第7条第1項にその規定があります。未成年者に手続をすべてまかせてしまうと、十分に保護を得られなかったりしちゃうことを防止するための規定です。
未成年者の法定代理人は、原則、親権者であって、父母が婚姻中の場合にはおとうさんとおかあさんが共同で代理人となります。

ということで未成年者の発明について特許申請をする場合には、法定代理人であるおとうさんやおかあさんが代理権を証明する必要があります。
この代理権の証明のためには、未成年者本人の戸籍謄本(抄本),住民票及び法定代理人の住民票を提出します。

特許電子図書館の審査書類情報照会サービスでは、特許出願人などから特許庁に提出された書類をインターネットを通じて閲覧することが可能です。
法定代理権を証明するために提出された戸籍謄本などの証明書類までは第三者が閲覧することはできないように処理されているはずですが、特許申請手続以後に提出された証明書類が何らかのミスにより審査書類情報照会サービスで閲覧できてしまう可能性が考えられます。
実際に戸籍謄本などが閲覧できてしまっていた例を確認しています。

このようなことを防止するためには、特許申請手続する前の例えば法定代理人が識別番号付与請求書を提出する際に、法定代理権の証明書類を添付して提出する必要があるかもしれません。

平成23年度のパテントコンテストが開催されていて、今日まで高校生などからの応募が受け付けられているようです。
平成23年度パテントコンテスト開催のお知らせ
特許出願支援対象に選ばれた応募者が高校生などの未成年者の場合には、ご両親の協力を得て特許申請手続などを行っていくことになるのかもしれませんが、弁理士の指導があるとはいえ、法定代理権を証明する書面の提出などには少し注意したほうがよいのかもしれません。

posted by tokkyo at 08:46 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年08月10日

同日同一発明の特許申請の先願の地位

平成10年の特許法改正前は、実務上は出願公開される前に拒絶査定を確定する取り扱いをしていなかったので、実際には、この前書いたような、協議がうまくいかずに同日同一発明の特許申請について出願公開もされずに拒絶査定が確定してしまうということはありませんでした。
このような同日同一発明のすべての特許申請が出願公開されるのであれば、出願公開後、協議が成立せず拒絶査定確定後に同じ発明について特許申請があったとしても特許権を取得できないことは明らかです。
それなら、協議不成立で拒絶査定が確定した特許申請に特許法39条の先願の地位をわざわざ認める必要はないということが言えそうです。

しかし、特許申請の審査期間の短縮などを目指して早期審査を効率的に進めていくために出願公開前に審査、拒絶査定などを行う必要が生じてきました。
このような状況になると、協議不成立で拒絶査定が確定した同日同一発明の特許申請に限っては、特許法39条の先願の地位を認めないといけません。
すなわち、出願公開されずに他の特許要件は満たしているにもかかわらず協議不成立という拒絶理由のみで同日同一発明の特許申請について拒絶査定が確定するようなことがあった場合には、その後に協議がうまくいかなかった出願人の一方などが同一発明について特許申請すると権利化されてしまうおそれがあるので、それを防止する必要が生じます。

posted by tokkyo at 02:50 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年07月26日

拒絶査定が確定した特許申請は39条で先願の地位を有する?

同日同一発明の特許申請について協議で一の特許出願人を決めることができて、特許権が設定登録された場合には、特許権の内容などを広く知らせるための特許掲載公報に協議が成立した旨や決められた一の特許出願人以外の出願人の氏名などや発明者の氏名などが掲載されます。
協議の結果、例えば特許申請を取り下げてしまって共同出願人にもならなかった場合であっても、取り下げた側の出願人の氏名や発明者の氏名が残した特許申請のほうの特許掲載公報に掲載されることになります。

協議がうまくいかなかったために、競合する特許申請について両方とも出願公開もされずに拒絶査定が確定してしまった後に、一方が特許申請を再びし直した場合や第三者が同じ発明で特許申請をした場合にはどのような扱いになるのでしょうか?
こういった場合に特許権を取得できることにしてしまうと、何のために協議したのか意味がわからなくなってしまい、不公平極まりないです。
そういう理由などから日本では平成10年の特許法の改正前までは拒絶査定が確定した特許申請について特許法39条の先願の地位を認めていました。
しかし、諸外国では拒絶査定確定出願にこのような先願の地位を認めていなかったために日本は諸外国と足並みを揃えることができずにいました。

posted by tokkyo at 02:36 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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