2013年04月06日

特許申請が一定期間経過後公開されないと

特許申請された日から一定期間経過した後にその発明の内容を公開する出願公開制度がまだ採用されていなかった時代には、例えばライバル会社が競い合っている技術に関する発明について既に特許申請していたにもかかわらず、特許申請の審査待ち期間が長期化し出願公告が遅れると、長い間、その事実を知ることができない場合がありました。
そのライバル会社の特許申請が何年も経ってから権利化されると、既に特許申請されていたことを知らずにその特許発明と同じ技術を研究、分析等していた会社は、研究等の継続を断念せざるを得なくなってしまう場合があり、大きな損失を被ってしまうことが考えられました。

また、そのようなことを防止するために、権利化する価値があるかどうかなどの特許申請前の判断をきちんとすることなく、ライバル会社と競合しそうな技術に関してはとりあえず少しでも早く特許申請をしておこうとする傾向となり、特許申請件数が増加して、審査遅延を招き、悪循環になってしまうことがあったかもしれません。

また、出願公告されるまでは特許申請された発明の内容を知ることができないために、知っていれば申請されなかった同じ内容の発明の特許申請が無駄に増えてしまい、審査の長期化を招いてしまうというおそれもありました。



posted by tokkyo at 23:43 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年07月31日

出願公告って?

特許庁の審査官が特許申請について実体審査をして拒絶する理由が見つからなかった場合には、特許査定がされることが現行の特許法では定められています。

しかし、そのような場合、平成8年に廃止されるまでは、ただちに特許査定をせずに出願公告をする制度が設けられていました。

特許を付与する前に、出願公告により特許申請に関する内容などを公開して、第三者に紛争解決などのために特許異議の申立ての機会を与えることで、審査官の審査を補完することができます。
本来認められるべきではない特許権の発生を防止することができ、特許権の信頼性、安定性が向上することになります。

出願公告制度は大正10年の特許法で初めて採用され、第73条に出願公告について、第74条等に特許異議申立について規定されていました。

昭和45年の改正で出願公開制度が採用されるまでは、出願公告で初めて特許申請の内容が公開されていたので、出願公告はかなり重要な役割を果たしていたものと思われます。

出願公開制度がない時代には、第三者は出願公告されるまで発明の内容を知ることができなかったために、審査が遅延化し、それにともなって出願公告されるのが遅れてしまうと、第三者に不利益がいろいろと生じてしまいました。

posted by tokkyo at 02:02 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年09月16日

未成年者は法定代理人により特許申請手続

未成年者は原則として法定代理人によらなければ特許申請などの手続を行うことができません。特許法の第7条第1項にその規定があります。未成年者に手続をすべてまかせてしまうと、十分に保護を得られなかったりしちゃうことを防止するための規定です。
未成年者の法定代理人は、原則、親権者であって、父母が婚姻中の場合にはおとうさんとおかあさんが共同で代理人となります。

ということで未成年者の発明について特許申請をする場合には、法定代理人であるおとうさんやおかあさんが代理権を証明する必要があります。
この代理権の証明のためには、未成年者本人の戸籍謄本(抄本),住民票及び法定代理人の住民票を提出します。

特許電子図書館の審査書類情報照会サービスでは、特許出願人などから特許庁に提出された書類をインターネットを通じて閲覧することが可能です。
法定代理権を証明するために提出された戸籍謄本などの証明書類までは第三者が閲覧することはできないように処理されているはずですが、特許申請手続以後に提出された証明書類が何らかのミスにより審査書類情報照会サービスで閲覧できてしまう可能性が考えられます。
実際に戸籍謄本などが閲覧できてしまっていた例を確認しています。

このようなことを防止するためには、特許申請手続する前の例えば法定代理人が識別番号付与請求書を提出する際に、法定代理権の証明書類を添付して提出する必要があるかもしれません。未成年者が特許申請する場合の相談はこちらの特許事務所で受け付けています。

平成23年度のパテントコンテストが開催されていて、今日まで高校生などからの応募が受け付けられているようです。
平成23年度パテントコンテスト開催のお知らせ
特許出願支援対象に選ばれた応募者が高校生などの未成年者の場合には、ご両親の協力を得て特許申請手続などを行っていくことになるのかもしれませんが、弁理士の指導があるとはいえ、法定代理権を証明する書面の提出などには少し注意したほうがよいのかもしれません。

posted by tokkyo at 08:46 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年08月10日

同日同一発明の特許申請の先願の地位

平成10年の特許法改正前は、実務上は出願公開される前に拒絶査定を確定する取り扱いをしていなかったので、実際には、この前書いたような、協議がうまくいかずに同日同一発明の特許申請について出願公開もされずに拒絶査定が確定してしまうということはありませんでした。
このような同日同一発明のすべての特許申請が出願公開されるのであれば、出願公開後、協議が成立せず拒絶査定確定後に同じ発明について特許申請があったとしても特許権を取得できないことは明らかです。
それなら、協議不成立で拒絶査定が確定した特許申請に特許法39条の先願の地位をわざわざ認める必要はないということが言えそうです。

しかし、特許申請の審査期間の短縮などを目指して早期審査を効率的に進めていくために出願公開前に審査、拒絶査定などを行う必要が生じてきました。早期審査についてはここの特許申請に関するページに詳しい説明があります。
このような状況になると、協議不成立で拒絶査定が確定した同日同一発明の特許申請に限っては、特許法39条の先願の地位を認めないといけません。
すなわち、出願公開されずに他の特許要件は満たしているにもかかわらず協議不成立という拒絶理由のみで同日同一発明の特許申請について拒絶査定が確定するようなことがあった場合には、その後に協議がうまくいかなかった出願人の一方などが同一発明について特許申請すると権利化されてしまうおそれがあるので、それを防止する必要が生じます。

posted by tokkyo at 02:50 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年07月26日

拒絶査定が確定した特許申請は39条で先願の地位を有する?

同日同一発明の特許申請について協議で一の特許出願人を決めることができて、こちらの権利化までの流れに書かれているように、特許権が設定登録された場合には、特許権の内容などを広く知らせるための特許掲載公報に協議が成立した旨や決められた一の特許出願人以外の出願人の氏名などや発明者の氏名などが掲載されます。
協議の結果、例えば特許申請を取り下げてしまって共同出願人にもならなかった場合であっても、取り下げた側の出願人の氏名や発明者の氏名が残した特許申請のほうの特許掲載公報に掲載されることになります。

協議がうまくいかなかったために、競合する特許申請について両方とも出願公開もされずに拒絶査定が確定してしまった後に、一方が特許申請を再びし直した場合や第三者が同じ発明で特許申請をした場合にはどのような扱いになるのでしょうか?
こういった場合に特許権を取得できることにしてしまうと、何のために協議したのか意味がわからなくなってしまい、不公平極まりないです。
そういう理由などから日本では平成10年の特許法の改正前までは拒絶査定が確定した特許申請について特許法39条の先願の地位を認めていました。
しかし、諸外国では拒絶査定確定出願にこのような先願の地位を認めていなかったために日本は諸外国と足並みを揃えることができずにいました。

posted by tokkyo at 02:36 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年07月19日

特許申請の「請求項に係る発明」について39条は判断

複数の特許申請が同一の発明についてあった場合の取り扱いは特許法の第39条に規定されていますが、発明が同じかどうかの判断は「請求項に係る発明」について行われます。あくまで出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項としての記載について判断されます。

たとえ39条違反であると判断されたとしても、ほんとうにそれぞれ独立して完成された発明であれば、明細書、図面など特許申請の書類全体に記載された内容や流れが競合する申請同士ですべて同じということはまずあり得ないと思われます。

同日に同一発明の特許申請が異なる出願人により行われて、特許庁長官から協議指令がされたときには、特許申請の書類全体を比較検討することで、どちらの申請を残すのがいいのかを決めて共同申請とするなどの対応策があるそうです。
また、それぞれの出願人が、同一の発明と判断された請求項について同一にならないようにそれぞれの明細書に記載した方向の味付けで補正などを検討する対応策もあり得るのではないかと思います。この場合には一の出願人を決めないために、拒絶理由通知をもらうことになるのかもしれません。

posted by tokkyo at 02:33 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年07月17日

同日同一発明の特許申請の取扱い

このまえの続きですが、同じ日に同じ発明について違う人によって特許申請の手続きがされて、両者ともに特許権の取得を目指して出願審査請求をした場合には、集まって相談(協議)するように特許庁長官名でそれぞれに命じられます。
協議の結果を届け出ないと協議が成立しなかったものとみなされちゃったりするようです。

協議で一の特許出願人に決められないと、審査官から両方の特許申請に拒絶理由が通知されます。
両方に拒絶理由を通知しなくても、例えばパウル君にどちらかを決めてもらうっていう方法も考えられますが、2世じゃちょっと不安、やっぱり1世じゃなきゃ信用できないとか、パウル君に選ばれなかったほうは発明を実施することができなくなってしまってあまりにも不均衡じゃないかなどという理由で難しそうです。
でも、拒絶理由が通知されたとしても、発明が同じと判断されないように補正をすれば拒絶理由は解消されます。

一の特許出願人に決めるっていうのは具体的にどうするのかっていうと、どちらかが特許申請を取り下げたり、放棄したり、どちらかの特許申請を共同にしたり、一方が仮実施権を取得する契約をしたりなんかが考えられます。

posted by tokkyo at 02:47 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年07月05日

特許申請の先願主義は日が基準

日本の先願主義では、重複特許排除の原則から同一の発明について複数の特許申請が競合した場合には最も早く特許申請をした者だけに特許を与えることにしていますが、あくまで日を基準に判断するのであって、時刻までは基準にしていないそうです。

ですから先願主義では、朝早く特許申請手続をしたからといって、その日夜遅くに同一発明について申請手続をした人に勝てるわけではありません。
時刻まで先後願の判断の基準にすると、時刻をいちいち証明するのがめんどうだし、同じ日に同じ発明が特許申請されることなんてめったにはないんだから時刻まで考えなくてもいいじゃんということだそうです。
外国では時刻で先後願の勝負をつけていたことも過去にあったそうですし、日本でも同日の扱いを定める際に時刻主義案も挙がったそうです。

同じ日の例えば朝早くと夜遅くに同一発明について別々に特許申請があった場合にどういう扱いになるかについて、特許法にはきちんと規定されています。
こういった場合には、特許出願人が協議をして決めた1の特許出願人のみが特許を受けることができるそうです。
もし、協議ができなかったり、協議がまとまらなかったりすると、誰もその発明について特許を受けることができなくなってしまうそうです。

なお、こちらの特許出願のページにも書かれていますが、先願主義を意識しすぎて発明の内容を深く検討せずに慌てて出願をしてしまうと、結局権利が取得できなくなってしまったりすることもあるようなので、気をつけたほうがよさそうです。

posted by tokkyo at 01:59 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年06月27日

米国でも特許申請は先願主義?

同じ発明について複数の特許申請がされた場合にはどう扱われるかというと、せっかく申請したんだから、みんなに広く特許権を認めてあげましょうなどというおおらかな扱いではなく、日本では一番最初に特許庁に申請手続をした人が特許を受けることができます。早い者勝ちです。
この考え方を先願主義といいます。先願主義という言葉を知っているかどうかは別として、早い者勝ちであるというのは誰でも知っていそうですね。

先願主義は日本のみではなく、欧州、韓国、カナダ、フィリピンなどほとんどの国で採用されていますが、米国だけは先発明主義を今のところ採用しています。
先発明主義というのは、一番最初に発明したもん勝ちというある意味かっこよい考え方ですが、発明した日ってそれほどはっきり決められるものでもなさそうだし、そういう発明した日を基準にしちゃうと特許申請手続をして特許権を取得できたとしても不安定な状況になっちゃいそうです。
日本でも昔、先発明主義を採用したことがあったのですが、うまくいかずに先願主義に改めたことがあります。

最近、先発明主義を採用していたアメリカでも先願主義へと移行する改革法案が下院を通過したそうなので、世界的に先願主義が採用されるようになる可能性が高そうです。

posted by tokkyo at 23:25 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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