2011年08月10日

同日同一発明の特許申請の先願の地位

平成10年の特許法改正前は、実務上は出願公開される前に拒絶査定を確定する取り扱いをしていなかったので、実際には、この前書いたような、協議がうまくいかずに同日同一発明の特許申請について出願公開もされずに拒絶査定が確定してしまうということはありませんでした。
このような同日同一発明のすべての特許申請が出願公開されるのであれば、出願公開後、協議が成立せず拒絶査定確定後に同じ発明について特許申請があったとしても特許権を取得できないことは明らかです。
それなら、協議不成立で拒絶査定が確定した特許申請に特許法39条の先願の地位をわざわざ認める必要はないということが言えそうです。

しかし、特許申請の審査期間の短縮などを目指して早期審査を効率的に進めていくために出願公開前に審査、拒絶査定などを行う必要が生じてきました。早期審査についてはここの特許申請に関するページに詳しい説明があります。
このような状況になると、協議不成立で拒絶査定が確定した同日同一発明の特許申請に限っては、特許法39条の先願の地位を認めないといけません。
すなわち、出願公開されずに他の特許要件は満たしているにもかかわらず協議不成立という拒絶理由のみで同日同一発明の特許申請について拒絶査定が確定するようなことがあった場合には、その後に協議がうまくいかなかった出願人の一方などが同一発明について特許申請すると権利化されてしまうおそれがあるので、それを防止する必要が生じます。



posted by tokkyo at 02:50 | 特許申請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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